いなせりブログ

いなせりブログでは、いなせりスタッフの日常や
魚河岸の魅力をお届けします!

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仲卸インタビュー第5弾では、築地市場に店を構える仲卸の中でも、数が少ない「貝」の専門店の若き4代目として活動されている渡辺商店「渡辺玄太」さんのインタビュー模様をお届けいたします。
渡辺商店は、元々鮮魚を中心に販売してきましたが、3代目である父:渡辺幸雄さんから新たに貝を中心とした仲卸としてスタート。現在、有名店をはじめ各業態のお客様から支持されています。
今回のインタビューでは開拓者として新たな渡辺商店を築き上げた父親のDNAを受け継ぐ若き4代目の活動に迫ります。



■自己紹介:㈱渡辺商店/渡辺玄太(わたなべ・げんた)
父親が営む貝の専門店「渡辺商店」の4代目として現在活動している。渡辺商店では主に「ハマグリ」を担当しており、各業態のお客様とやり取りをする傍ら、消費者向けに「貝祭り」などの活動も行っている。


■貝は知れば知るほど面白い!



-仲卸の世界に進むきっかけは、やはり父親の影響が大きかったのですか?


小さい頃から父親が働いている姿を見ていたので、当然意識はしていましたし、よく休みの日に父親の手伝いをしていたこともあり、いつかは僕自身も仲卸として働くのだろうと思っていました。
そんな時、23歳になる年に父親から突然「仲卸やるか」と声を掛けられて、「はい」と答えたことがこの世界に入るきっかけとなりました。


-はじめは、主にどのような仕事をされていたのですか?


渡辺商店では現在40~50種類の貝を取り扱っています。貝類の場合、鮮魚と比べ、見た目で品質の良し悪しが判断しづらいものも多く、 渡辺商店では経験値によって担当している貝の種類と数が異なります。
また、経験値が高い人ほど目利きが難しい貝の担当となるので、僕の場合、初めは貝には一切触れさせてもらえず、毎日ターレ(築地内などで荷役用として広く利用されている運搬者)に乗ってお客様に商品を配達していました。


徐々に配達にも慣れてきた頃から、 加工物の海藻類 (値段の変動がほとんど無く取り扱いやすい) から学ぶようにと言われ、「ワカメ」「もずく」を主に、お客様から注文を聞き、荷受(生産者から販売権利を委託されている人)から商品を仕入れる所まで行っていました。


次に「サザエ」「鮨ネタ類」と担当していくことになったのですが、海藻類に比べ目利き・仕入れが格段に難しくなり、当時はかなり苦労していました。
そんな時、父親から「びびらず買え、仲卸は仕入れを怠ると終わるぞ!」と言われことは今でも覚えています。


渡辺商店はそれぞれ担当者が、一つ一つ品質にこだわってお客様にご提供していることが一番の強みですが、種類の豊富さも強みなので、品質ももちろん大事ですが、まずは食材が無いとお客様から信頼されないということだったのだと思います。


-見分けるのが難しい貝の良し悪しはどうやって判断されているのですか。



大きなポイントとしては、持った時の感触で判断していますが、特に重要なポイントは音です
貝類の中でも特に「巻貝(まきがい)」は、見た目で品質の良し悪しを判断することが難しいため、「サザエ」を担当していた当時は、仕入れにとても苦労しました。


中でも、仕入れた「サザエ」を店に持ち帰って仕分け(お客様のご注文に合わせてサイズ・重さを合わせること)をすると、中身がスカスカだったりすることが日常茶飯事でした。
当時、父親から「最初に音を聞け!」と言われたのですが、どういう意味なのかが当時は理解できませんでした。


しかし、毎日仕入れを行っている中で、身が痩せている「サザエ」は振ると、中の身が殻とぶつかり音が鳴ることが分かりました。今では「サザエ」以外の貝類の場合でも、まずは貝そのものが生きているのか死んでいるのかを判断し持った感触で重さを確かめ最後に音を聞き身の大きさを確かめるようにしています


■信頼される仲卸になりたい



-入社してから4年目、現在行なっている仕事とは?


現在は担当が「サザエ」「鮨ネタ類」から代わり「ハマグリ」を担当しています
貝類の中でも小さいものから大きいものまで色んな大きさが存在する「ハマグリ」の仕分けは特に大変です


以前、新規のお客様から2センチ単位のご注文をいただいたことがありました。さすがに貝も自然物なので全て同じ大きさに揃えることは難しいのですが、なるべく一つ一つ大きさにズレがないよう慎重に仕分けを行ないました


結果、「玄太さんから買った貝は扱いやすい、持ちが良い」と大変ご評価をいただき、今ではそのお客様もリピーターとして毎日お店に買いに来てくれるようになっています。


-玄太さんの中で仕事をする上でこだわっていることはありますか?


一番気を使っていることは、密にお客様と連絡を取り合うこと消費者のことまで考えお客様と接していることです。
基本的に毎日、僕が担当しているお客様に対して、翌日の入荷情報や値段の相場などをお伝えしています。一見当たり前のことように感じますが、こうしたやり取りがお客様との信頼関係を築いていく上で一番大切なことだと思っています。


また、僕が担当しているお客様の中には小売店(スーパーなど)の方もいらっしゃいますので、定期的にお店に出向き「貝祭り」と称して僕自身が直接お客様に販売活動を行っています。
この活動は貝の美味しさをもっと消費者の方に知っていただきたいと思い始めましたが、活動を重ねていくと消費者の中には貝すらそれほど食べたことがない人もいらっしゃったり調理方法が分からない人が多くを占めていることが分かりました。


そのため消費者にも簡単に扱える貝や調理法をお伝えし、まずは貝を手にとって食べていただくことを大事にして活動しています
また、活動を通じて得た消費者のニーズや悩みは、直接、渡辺商店に買いに来ていただくお客様にもお伝えし、お客様からも貝の美味しさを訴求していただいています。


■新しい渡辺商店を築き上げたい!



-渡辺商店の4代目として今後行なっていきたいことはありますか?


まずは、渡辺商店の看板食材である、「あわび」を担当したいと思っています。


現在「あわび」は父親が担当しているのですが、将来的には僕自身が担当していきたいと思っています。渡辺商店の看板食材で売上の大部分を占める「あわび」を担当することは、お店の存続にも大きく影響してきます。


これから4代目として、しっかり父親から受け継ぎ、今以上にお客様が買いに来てくれるように渡辺商店を盛り上げていきたいと思っています。


今までとは違う渡辺商店を築き上げること。


渡辺商店の4代目として、3代目である父親が築き上げてきたものを受け継いでいきながら、父親からの教訓をもとに新しいことにチャレンジしていきたいと思っています
父親のことは尊敬していますし、憧れの存在です。渡辺商店は父親の代から貝の専門店として商売をはじめ、現在も買いに来ているお客様の多くは、当時から父親が対面販売で信頼を築き上げてきた方たちばかりです。


父親が僕に対して、常々「今までと同じことをやっていてはだめだ!」と言います。
それは、時代によってお客様が求めるニーズも少しづつ変わってきているので、変化するニーズにお応えするためには仲卸も変化していかなければいけないことだと思っています。


加えて、僕らのような若い世代だからこそできることが、数多くあると思っています。その中で、インターネットを活用した情報発信や消費者向けのイベントなど、まずは貝の美味しさを知っていただけるような活動をしていきお客様と消費者にも支持していただけるような今までにない渡辺商店を築き上げていきたいと思っています


■インタビューを終えて






最後に玄太さんに渡辺商店の4代目としてプレッシャーはありませんか?と尋ねると、
正直あります。父親の築き上げたものを俺の代で終わらせてはいけないので毎日努力しながらやっています。とおっしゃっていました。
4代目としてのプレッシャーと戦う中、玄太さんが作り上げる今後の渡辺商店はどう変化していくのでしょう。
3代目である父親のように全く違う分野の仲卸として活動しいていくのか、「新しいことへの挑戦」とおっしゃっていた、玄太さんのこれからの活動に注目していきたいと思います。 ּ


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